議員提出議案第8号
関西電力大飯原子力発電所3号機、4号機の再稼働に反対する意見書
東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所の事故から1年3カ月が経過したが、被災地の復興は進まず、原発事故の被害はより深刻であり、避難をされている方々はいつになったら故郷に帰れるのか、目途も立たない状況の中、厳しい生活を余儀なくされている。
そのような重大な事故であるにもかかわらず、野田内閣は、福島原発事故の原因究明はおろか、原発内部がどのようになっているのかさえ分からないのに原発事故の「収束宣言」を行った。このことに対しても国民の不信はより一層増している。
今年の5月5日、点検のために北海道電力泊原発が停止し、日本国内のすべての原発が停止された。原発のない安全な日本への第一歩となった。
ところが政府は、「政治判断」によって、原発の再稼働を強引に進めようとしている。
福井県の大飯原発3号機、4号機の再稼働について、政府は原子力安全委員会の安全評価(ストレステスト)の一次評価結果の実質審査を終えたとして、首相をはじめとした、関係閣僚の判断で再稼働を決定し地元の同意を求めるとしている。
再稼働の是非については科学的安全性が唯一、最大の基準として置かれなければならない。
その点からみて、第1に福島原発事故の原因究明がなされていないこと。
第2に政府がとりあえずの30 項目とした「安全対策」が行われていないこと。
第3に東日本大震災を受けて、地震と津波の学問的知見の根底からの見直しが求められているがこの議論はまだ始まったばかりであること。
第4に原発事故が起きた時に放射能がどのように拡散されるか予測されておらず、避難計画すら立てられていないこと。
第5に原子力に対する規制機関が確立されていないことなど問題点が何もクリアされていない。
このような状況のもとでの再稼働は国民の命を守れないことは明白である。
よって関西電力大飯原子力発電所3 号機、4 号機の再稼働を認めないことを求めるものである。
以上、地方自治法第99 条の規定により、意見書を提出する