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議案の概要・議決結果

詳細情報

議案名

町田市葬具使用条例を廃止する条例

議案番号

第72号議案

提出日

令和3年8月26日

付託委員会

付託委員会
健康福祉常任委員会
審査日
令和3年9月8日
審査結果
継続審査 令和3年12月13日 可決すべきもの(賛成多数)

議決結果

議決日
令和3年12月22日
議決結果
原案可決(賛成多数)
採決状況
令和3年9月29日
継続審査

議案の概要

委員会審査の様子

■第72号議案、請願第11号、第12号一括審査

●委員 市のほうで必要性がなくなったと判断したということだが、市民にとって本当にどうなのかということが検証されたのか。アンケートもされていて95%の満足度を得ている事業なわけだが、その辺の判断というのは全く行われなかったのか。
●担当者 市の考え方として、一番大きな理由は、この事業が発足した当時、葬儀の在り方というのが、自宅で行う、近所や色々な方が盛大に行って費用もかかるものが中心であったが、そこをカバーするために、この事業ができたと考えている。ここ10年ぐらい、世の中の葬儀の在り方が非常に変わってきている。葬儀屋からも聞いているが、民間事業者はより安価に充実したサービスを提供しているということで、まず値段としては、火葬のみであるとか、10名程度で行う小規模な
いわゆる家族葬というものがある。そういったものの料金で比べると、市の事業と同等またはもっと安いものが出てきている。もう一つ、葬祭事業というのは、いろいろな花であるとか、搬送であるとかを料金に合わせて業者を紹介して、喪家の方が業者と話をして、料金を払うという仕組みになっているが、民間の葬祭事業者は全てをパックでやるということ。それから、24時間365日の対応であるということなどで、サービスもそういう意味ではなかなか勝てないというところで、もう行政がやるという意味合いはなくなってきているということで廃止を決めた。
●委員 葬祭事業の廃止が検討され、今年の5月19日に起案されたということが分かった。ちょうどコロナ禍ということもあり、葬儀に人を呼ぶこと自体、危惧されるという状況の中で利用も少ないというところで結論を出すというのは、市民にとっては大変大きな影響が今後あると思うし、葬儀自体が現在は小規模の個人の直葬とか、家族葬とか本当に小さなものになっているが、今後必要があれば通常の葬儀ということも増えてくる。コロナが収束していけば、そういった方向ももしかしたらあるかもしれないし、この葬儀自体の市民のニーズというのも、これからの経緯の中で変わってくる部分もあると思うが、こういう時期に結論を出すというのはどうなのか。そういったことは検討されなかったのか。
●担当者 検討をしていく中で、他市の例に倣ってであるとか、利用状況も当然視野に入れて、ここ3年間にかかわらず、利用状況が、ここ10年ぐらいはずっと減ってきている。高齢化社会の進展に伴って亡くなる方は逆に増えている。そうすると、当然需要が増えるから利用も増えるのではないかということだが、利用が少しずつ減ってきているというのは、民間で同等のサービス、値段のものが出てきているという部分も大きい。廃止を決定した背景には、そういったこともある。

第72号議案については、なお調査を要するため、継続審査の取り扱いとなった後、担当者より、その後の経過について次のとおり報告がありました。
前回の審査以降、10月1日から、協定事業者の方々へ改めて市の考えを説明した。具体的には、前回の審査で使用した資料に基づき、訪問、電話を含め、各協定事業者に8回から11回、長いときには120分間、機会をもらって、話合いを重ねていく中で、各協定事業者からも市の考えについておおむね理解してもらえたと考えている。また、葬祭事業が廃止となった後には、各協定事業者が葬祭事業の趣旨を引き継ぐ受皿として、新たな組織を設立しようと話合いをしていると聞いている。市としては、新しい受皿の連絡先をホームページで案内するほか、閉庁時であっても市民から市役所に問合せがあった際にも対応できるよう、代表電話と情報を共有し、案内できる体制を整えるなど、葬祭事業廃止後も安心感を担保できるよう努めていく。価格についても、9月14日と15日に葬祭事業者3者から見積書を徴取し、パッケージに含まれる内容を確認している。通常、別料金とされていることが多いドライアイス、遺影写真、遺体の搬送なども基本料金に含まれており、市の葬祭事業を利用した場合とほぼ同一の内容で、民間事業者のほうがより安価であることが確認できている。町田市葬祭事業で一番価格の低いプランは火葬のみである。火葬のみの場合、葬祭事業所で棺や骨つぼを購入し、搬送や安置代、花などには別途料金が発生し、15万5900円かかる。民間では、ほぼ同一の内容を8万9100円で提供している。

●委員 新たな組織というのは市民の安心を何とか守っていきたい、継続していきたいという意思に基づいて市内の葬祭業者、生花商組合、あるいは印刷だとか運送だとかがその事業を引き継いで、これまでどおりに市民の安心を守っていきたいということで、この事業を一業者として請け負ったとしても、とても黒字になるようなことではないと聞いている。今、安価なところがいっぱい増えてきたという答えだが、一方で「消費生活センターだより」なども、特にネットとか、安い金額を出しておいて、実際になると何か積み上がって料金が高くなったという事例とか、消費者トラブルになっている。そういう業者につながないという意味でも、市民の安心を守っていくということは、事業を廃止したとしても、事業の理念をしっかりと継続していくことが大切だと思うが、今そのように協力してもらって、協議を行っている協力会とはどのような形でやり取りをして、お互いに安心につなげていくような議論をされているのか。
●担当者 市としてもこの葬祭事業が廃止になった後に、市の事案を受け継いで市民にいいサービスを市内の事業者でやっていこうという話をもらって、まずは最初に市のほうから各 事業者に声かけをさせてもらえないかということで、11月に2回、話合いを持たれている。その中で、今までの市の葬祭事業の趣旨を反映したものを我々でつくっていこうというところで聞いている。それから、金額についても透明性の高い、必ず見積りを出して、その内容でやるとか、少なくとも今 市がやっている葬祭事業よりも安いもので提供できないかということで検討していきたいということで聞いている。市としても、そこを将来、市のホームページで市民からの相談先として紹介するのであれば、しっかりとしたサービスが提供されないと困るので、しっかりと関わりを持っていかなければいけないと考えているとのことでした。
●委員 市が関わった市の事業としての葬祭事業への信頼と、また、そこを担保にして、ある意味、利益をそれほど生まなくてもいいような仕組みにはなっているので、何より市民の利益を優先にして相談に乗ることができるという体制もつくってこられたと思う。新たな組織ができるということで市が事業を廃止するわけであるから市の関与はなくなる。ホームページに載せるとかいろいろあるが、そのことについては十分検討した結果だとは思うが、こうした市民の期待に対して、どのような情報提供をしていくのか。
●担当者 当然、葬儀に関して市民から問合せがあると思う。今考えられている組織ができた際には、あくまでも葬儀のサービスであるので、そこを仕切る葬祭事業者がどれだけ信用がおけるかということなのだろうと思うが、そこは全日本葬祭業協同組合連合会加入ということで、トラブルが起きたときのバックアップ等もあるので、そういったことも活用しながら、もし何かあった際には、しっかりと市民の方に迷惑がかからないように対処していきたい。
●委員 新たな取組が4月までにできる段取りで進んでいるという話はあったが、生花商組合の認識としては、来年4月からの新しい取組はもう間に合わないと見込んでいる。恐らく、さらに半年ぐらいの時間がないと新たな取組のスキームが構築されないのではないか。それで、今回廃止する条例が出ているが、もともとの条例を廃止するまでの期間を延長してほしいということを行政側に生花商組合からお願いをしていたが、それに関してはできないと断られたということである。そのあたりの市の認識について伺う。
●担当者 時間がないという話は、話合いの中で出た。ただ、全然 間に合わないというようなことではなかったと思う。どこか切らずに、延ばすとか、延ばさないとかというところは難しいということは申し上げたが、全然間に合わないという結論が出たという認識は持っていない。

質疑終結後、第72号議案については、まず、反対の立場から、昭和33年から継続してきた本 事業は、協定を結んでいる事業者からも請願が出され、その存続の必要性が訴えられている。市民からも新たな署名が追加されて、ぜひ存続してほしいという願いが届いている。町田市の安価で厳かな葬儀を営めるという、この葬祭事業、やはり守っていくために、また、事業者が協力して公平性や公正性を守りながら業務を続けていくためにも市の関与が必要だということが明らかになった。当面、その準備なども整うまでの市の努力も一層求められていると思う。やはり市の葬祭事業を引き続き継続することが必要だと考え、廃止ありきではなく、この事業自体の存続を実現するための見直しを求め、第72号議案に反対するとの反対討論がありました。
次に、反対の立場から、本日の委員会の審議の中でも、また、今後行われるであろう協定業者のサービス、代替的なものになるという町田市のこれまでの葬祭事業の趣旨を受け継いだ安価で厳かな葬儀を行うための事業をやってくれるという方針で進めているということだが、まだその部分について具体的に形になっていないというように感じた。また、そのサービスが開始可能なタイミングというのがまだ分からない状況で条例の廃止のタイミングを決めるというのは、やはり順序が逆で、サービスの開始が可能なタイミングがきちんと分かって、今後どういうふうになっていくのかがもう少し明確になってから条例の廃止というところに動くべきではないかと思うので、反対するとの反対討論がありました。
次に、賛成の立場から、これまで様々 議案、請願等を審査してきたが、私たちは決算でも求めたが、事業が新たな形になったとしても、市民の安心と安価な葬祭事業を継続していく、そして、市内の事業者と市民協働で、市ももう少ししっかりと関わって、そこを担保していく、そういったことを求めて今条例には賛成をするとの賛成討論がありました。
討論終結後、採決の結果、第72号議案については、賛成多数をもって原案を可決すべきものと決しました。
なお、採決終了後、東友美委員外6名より、本条例の執行に当たっては、新たな枠組みに対し各種 市内事業者の合意形成が十分に図られるよう、また、市民のために、安価で厳かな、安心のできる葬祭事業が市内で継続されるよう、町田市のさらなる努力を求めるとの附帯決議が提出され、質疑、討論はなく、採決の結果、全員一致をもって附帯決議を付すことに決しました。

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