町田市基本構想・基本計画「まちだ未来づくりビジョン2040」の策定について
第62号議案
令和3年6月7日
■委員 パブリックコメントで市の考え方というのがあったが、それはこの段階ではもう既に反映されているのか。
■担当者 市の考え方については、既に反映させている。
■委員 本ビジョンの策定に当たって、コロナパンデミックから学び、生かした内容は何か。
■担当者 コロナのところについては、特に政策9「みんなが安心できる強いまちになる」で、感染症対策の柱を設けている。ここがコロナのところから出てきたところであり、審議会からも、この辺をよく考えたほうがいいのではないかという意見をいただいて設けた項目になっている。
■委員 今進めている計画について、町田市5ヵ年計画17‐21の取組を経て、教訓として生かした内容は何か。
■担当者 町田市5ヵ年計画17‐21の取組からの反映というところだと、そこが実行計画になるので、実行計画を今つくっているところであり、各部の取組の状況を踏まえた形で新たに実行計画を出していただいている。
質疑終結後、反対の立場から、第1に、基本構想・基本計画とも、昨年から続いている新型コロナパンデミックから学び、反映させている内容が不明瞭であるということである。コロナ危機の下で、この間減らされてきた保健所や医療機関の体制と役割が問われた。そして、新自由主義による社会的脆弱化は、介護、障がい者福祉、保育、雇用、経済、教育など、あらゆる分野に大きな影響を与えた。新しい基本構想・基本計画策定に当たっては、コロナの前の社会に戻るのではなく、よりよい町田市政にするという姿勢が必要である。特に、これまでの自己責任を求める市政運営から公助、つまり、住民の福祉増進という地方自治体本来の自覚と責任を果たす決意が必要だと考える。公共サービスのスマート化ではなく、市民の命と暮らしを守り、教育を充実させることを中心に据えた市政の展望を求めるものである。2つ目は、現在のまちだ未来づくりプランと、直近の町田市5ヵ年計画17‐21から何を教訓にし、新しいビジョンに反映させるのかという視点である。特に、公共施設再編計画によって、学校統廃合や図書館などの生涯学習施設の削減については、市民から反対運動が起き、議会に提出された市民の請願のほとんどが採択されている。また、観光でにぎわいのある町にしようという計画が進められているが、博物館をなくし、美術館と自然を壊し、新しい美術館を膨大な税金を投じて建てる、また、多摩都市モノレールやリニア中央新幹線整備については、これからの時代の公共交通の在り方として、住環境に重大な影響を与える問題を十分検討していない。新しいビジョンにおいて、市民から計画変更を求められている内容に反省することなく、新しい未来づくりビジョンを示しても、本物とは言えない。コロナパンデミックからしっかりと学ぶこと、町田市5ヵ年計画17‐21の実践の教訓に学び、市民が本当に求めているのは何かという視点の検討こそが、本ビジョンの策定に当たり最も必要不可欠であると考える。以上の理由で第62号議案について反対するとの反対討論がありました。