町田市立図書館条例
第21号議案
令和3年2月19日
●委員 2022年4月から仮に指定管理者制度を導入した場合に、最初の重要なところとしてのその評価については、やはり図書館の専門家、詳しい方を入れていくべきだと考えているが、それについてどう考えているか。
●担当者 現在、図書館の運営状況については、図書館学の専門家、学識等を含めた町田市立図書館協議会の皆さんに町田市の図書館評価をしていただいている。そうした先生も含めて、毎年の図書館の運営状況を専門家の方にも評価いただいているので、指定管理になった後も、同じように評価いただくような予定にはなっている。
●委員 指定管理者制度を公立図書館が導入して、その後、うまくいかなかったという事例が随所に見られている。それだけに、
慎重な検討が必要なのではないかと思う。その点で、町田市立図書館としては、指定管理者制度を導入した図書館、そして、その対象となる指定管理者の企業についてどれだけ検証・検討したのか。
●担当者 指定管理者制度を導入して、成功事例として捉えているのが、近隣のところでは、立川市や東久留米市等は良好な状況になっていると認識している。また、23区内では千代田区については地域の情報なども提供するようなコンシェルジュを設けていると聞いており、そうした取組を進めていく中で成功しているという情報はつかんでいる。一方で、懸念されている事項としては、選書について不適切なものが選ばれていることや個人情報の問題といったところがあったのは聞いている。そうしたことを踏まえて、今回仕様等にも落としていくことを説明させていただいている。
質疑終結後、反対の立場から、本議案は、市立図書館に営利を目的とする民間企業に指定管理者を委ねることができる条項を設け、鶴川駅前図書館を皮切りに、市内の全図書館への導入を可能とする内容となっている。公立図書館は、法律で無料が原則ということが定められているように、指定管理者に委ねることは不適当であると考える。司書職員の適切な配置をはじめ、安定した図書館運営を進める上で、指定管理者制度は多くの問題があり、十分な検証はされておらず、全国的にも少なくない自治体で指定管理者から直営に戻す事例が後を絶たない。また、導入の理由としてはアクションプランからということだが、生涯学習審議会と図書館協議会の理解と合意を得られておらず、指定管理者導入の教育委員会の決定は不当であると考える。市立図書館8館の存続とともに、指定管理者導入ではなく直営での継続を求めるものである。以上の理由で、第21号議案に反対するとの反対討論がありました。
次に、賛成の立場から、
本条例については、市立図書館の運営について、効率的、効果的な図書館サービスのアクションプランの下、指定管理者の導入をできるようにするという趣旨であると理解をしている。今日の社会状況や公共施設維持に関する財政課題については、一定の理解はしているが、これまでの経緯を鑑みて、住民理解を得ているかどうかの部分においては若干の疑義がある。このような状況の中で計画どおりに進めば、2022年度から鶴川駅前図書館で指定管理者制度の導入が予定されている。全ての指定管理者制度について否定するものではないが、より効率的、効果的な制度を導入するため、制度導入に際しては、選書・蔵書管理、個人情報の管理、専門性の担保雇用の安定性について、図書館管理及び運営業務が適切に行われているのか、随時モニタリングを行い、課題の把握に努めること、そして、指定管理者ありきではなく、毎年度、及び指定期間終了後に、第三者機関などの制度導入の効果を検証、総括することを条件として賛成とするとの賛成討論がありました。
なお、採決終了後、
佐藤和彦委員外7名より、図書館の指定管理者制度導入に際し、選書・蔵書管理、個人情報の管理、専門性の担保、雇用の安定性について、以下の方法を以って適切な運用を求める。
1 図書館管理及び運営業務が適切に行われているか、随時モニタリングを行い、課題の把握に努めること。
2 毎年度、及び指定期間終了後に、図書館の専門家を含む第三者機関等で制度導入の効果を検証・総括すること。
との附帯決議が提出され、質疑、討論はなく、採決の結果、全員一致をもって附帯決議を付すことに決しました。