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議案の審査状況(議案のカルテ)

第97号議案 町田市国民健康保険条例の一部を改正する条例

議案番号
第97号議案
提出日
平成28年11月30日
付託委員会
健康福祉常任委員会
委員会付託日
平成28年12月12日
委員会審査結果
可決すべきもの
委員会審査日
平成28年12月14日
議決結果
原案可決
議決年月日
平成28年12月22日

議案の概要

国民健康保険財政の健全化等を図ることを目的として、国民健康保険税の税率を改定するとともに、所得税法等の一部を改正する法律の施行に伴い関係する規定を整備するため、所要の改正をするものです。

委員会審査の様子

● 委員 今回の改定を検討する際に、他市との比較をしていると思うが、保険税率における町田市の位置づけはどうなのか。
● 担当者 40歳以上の夫婦と子ども1人の3人世帯で所得が200万円というモデルで比較すると、町田市は2016年度の年税額が265,400円で、多摩26市中、14位である。多摩26市の平均額は270,655円で、町田市との差額は5,255円である。また、東京23区との比較では、23区の平均額は339,404円で、町田市との差額は74,004円である。町田市としては、保険税額は高くないと認識している。
● 委員 都道府県化の影響として、具体的にどのようなことがあるのか。
● 担当者 2018年度から国保財政の責任主体が都道府県になるため、各市区町村は都に納付金を納める。都は、各市区町村から集めた納付金を財源にして、医療費や各種拠出金を支払う。また、各市区町村の医療費水準や所得水準を勘案して国保事業納付金額を決定し、公表する。同時に、その納付金額を国保税で賄うのに必要な標準保険税率も提示する。各市区町村は、標準保険税率を参考に保険税率を決定し、賦課していくため、現行税率を標準保険税率に近づけていく必要がある。
● 委員 この先さらに税率が上がると、市民の生活はどうなってしまうのか。
● 担当者 結果的に2年連続の値上げになったが、2016年度の税率改定の影響を考えずに来年度の提案をしているわけではない。また、保険者としては、加入者の保険制度の維持が一番大きな目的になっているので、あわせて国の公費負担割合の拡大についても要望していきたい。
● 委員 国から地方自治体に支給されている保険者支援金を有効に使い、保険税の軽減をするべきだという請願者からの意見があったが、この保険者支援金はどのように使っているのか。
● 担当者 保険給付費や各種他の保険制度への拠出金の歳出に対する保険税の収入不足を補填するために使っている。
● 委員 このお金を使って来年度の値上げをやめるという判断もあったと思うが、検討したのか。
● 担当者 今回は、保険税収が減少し、歳出の保険給付費が横ばいであったため税率を改定した。保険者支援金を使うことは考えていない。
● 委員 年々上がっている医療給付費をどのように抑えるかを考えるうえで、医療と自分の体のつき合い方に関する全庁的な取り組み、啓発にもう一歩踏み込むべきだと思うがどうか。
● 担当者 医療の適正化を含め、レセプトの2次点検、また、ジェネリック医薬品の普及促進を三師会にもお願いしながら利用促進を図って効果を上げている。さらに、今年度、特定の病気に対するデータヘルス計画をつくっている。来年度に健康保険事業で具体的に成果を出すために、ビッグデータを活用し、レセプトを分析しながら町田市独自の傾向があるかを含め、対策を練っている。高齢者の国民健康保険の対策だけでは当然限界があるため、全庁的な健康づくりを含め、医療の適正化を一緒にやっていかなければならない。将来的な展望については真剣に考えなければならない課題であると認識している。
● 委員 赤字補填割合が10%を超えた部分を補填しなかった場合、一気に破たんしてしまうのか。
● 担当者 現在、月に約20億円強の医療費がかかっているので、繰り入れができない場合、あるところでいきなり払えなくなる状況になると思う。
● 委員 値上げの中止を求める請願に対して、中止に踏み込めない状況にあるということなのか。
● 担当者 中止できないと考えている。
● 委員 保険者として1自治体だけでやれる段階は過ぎていると思うが、これまでに国や都に具申する機会や場はあったのか。
● 担当者 東京都の市長会を通じて全国の市長会に要望を出している。
● 委員 一般会計からの繰入金の経年変化について、また、税率改定をした場合としなかった場合の繰り入れ額の相違について。
● 担当者 繰入金の経年変化については、2014年度決算では64億8000万円、2015年度決算では73億3000万円、2016年度の決算見込みでは53億2500万円である。また、税率改定をしない場合は、一般会計からの繰入金を、68億9000万円と見込んでいる。改定をした場合は、64億円程度と見込んでいる。

【議員間討議】

● 委員 値上げするよりも、もっと一般会計からの繰り入れをしたほうがいいという政策的な判断をしたと理解していいのか。
● 委員 結論から言うとそのとおりである。
● 委員 一般会計のほうから求めるとその向こうには42万人の市民がいるが、そこから求めるほうが適切だという結論に達したということでいいのか。
● 委員 国民健康保険に加入している市民の割合は3割弱ほどで、ほかの加入していない市民にその負担を求めるのかという意見だと思うが、国民健康保険制度は国民皆保険制度の根幹であり、生涯のうちに誰しも一度は加入する性質のものである。国保加入者だけのものではなく、広く捉える必要がある。
● 委員 町田市の全体の運営を考えたときに、厳しい値上げをお願いするが、都や国の負担も含めて上がらないように全力で努力するのが市の役目である。一般会計からどんどん繰り入れたら、この仕組みだけではなく、町田市自体が破たんする危惧がある。
● 委員 国保財政が破たんする前に一般市民の家計が破たんしては元も子もないと思う。
● 委員 一般会計の繰り入れによって破たんが起こる可能性も考えられる。
● 委員 国から直接6億円を超える保険者支援金が出ている。それを今回の4億4000万円に充てるだけで値上げをせずに済むので、その方策を優先するべきだと考える。
● 委員 保険者支援金を充てなかった理由を担当者に再度答弁して欲しい。
● 担当者 一般会計から多額の繰り入れをしているので、保険者支援金は医療分や他の拠出金に充てている。
● 委員 結果的に市民の負担軽減につながっていることがわかった。


質疑終結後、第97号議案に反対、請願第10号に賛成の立場から、本条例は国保税の値上げを定めるものである。今回の値上げは加入者の8割以上、9万人を超える市民に影響を与え、かつてない2年連続の値上げを行うものである。例えば、40代夫婦と子ども1人世帯で所得200万円のモデルケースでは、納めるべき税額が221,900円から275,900円となり、金額で言うと54,000円、率で24.34%もの値上げとなる。わずか2年の間でこれほど値上がりする税金を私はほかに知らない。市民からこの2年連続値上げ中止を求める請願が出され、多くの署名が市長宛てに寄せられたことを我々は重く受けとめなければならない。国民健康保険制度は国民皆保険制度の根幹である。保険者として町田市は、健康や医療に関する要望を的確に捉え、加入者、住民の生活実態をもとにした措置をとることができるはずである。本委員会の審査において、保険税収入が減少している原因として低所得者世帯の増加が挙げられ、中には高過ぎて払えない、滞納件数が増加していることなど、経済的に困窮する市民生活の実態が垣間見えた。本来、国民健康保険法に規定された「国民健康保険事業の健全な運営を確保し、もって社会保障及び国民保健の向上に寄与することを目的」とするという精神に照らせば、払えないような課税は行うべきではないと考える。社会保障制度に対する国の責任を町田市としても求めるべきである。国からの財政支援が十分でない現状では、市が一般会計から必要な繰り入れを行うのは当然だと考える。町田市は赤字繰り入れを10%以内にすることを原則として保険税値上げを行うとしているが、被保険者の切実な声や生活実感に背を向けたまま繰入額に線を引くことは、住民の命と健康を守る基礎自治体としての町田市の役割を十分果たしているとは言えない。また、低所得者対策として公費投入される保険者支援金は保険税引き下げのために使われるべきだと考えるため、第97号議案に反対し請願第10号に賛成するとの討論がありました。

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